地域防災

①地震発生1日後の避難所生活者予測は2万1,454人、これに対する避難所の受入れ可能人数は2万5,308人で受入れ可能となっていますが、地域によって志津地区は過密状況が想定されています。基本的には在宅避難が推奨されていますが、物資の支給などはどうなるのか不安ですよね。

避難所運営マニュアルには、地域の在宅避難者からの要望分については、自治会や自主防災組織等を通じて行う旨を記載し、ホームページにも掲載されてはいますが、果たして機能するのでしょうか。

その点を確かなものにしていくためには、それぞれの地域で、災害リスクと被害を想定したり、助け合いの仕組みなどを考える地区防災計画の策定がありますが、地域で自由に策定できるもののため、防災士等の助言が必要でしょう。

②2004年新潟県中越地震では、車中泊でエコノミークラス症候群になり、死亡する人が相次いだことを受け、長岡市では2006年地域防災計画に車中泊など避難所外避難者への支援を設定し、新潟県も2007年に避難所外避難者の支援計画の項目を設け、発生後3日以内の支援開始を掲げました。佐倉市においても過密避難所が想定される以上、同じ問題を抱えていると思われます。この避難所外避難者への支援、臨時避難所でもなく、避難所外避難者への支援を今後は防災計画にも位置づける必要があります。

佐倉市では車中泊などは推奨できないということから、防災計画にはその支援について触れられていません。現実的には、車中泊避難を見越して避難所の駐車スペースの利用、市内施設の駐車場の確保、スーパーや店舗との車中泊避難者用の受入れ協定などをあらかじめ検討しておくほうが行政としても避難コミュニティーを把握でき、支援物資の提供や健康相談なども対処しやすいはずです。推奨しているいないに関わらず現実的に考えることが必要です。

佐倉市は令和3年3月に山一電機株式会社と災害時等における施設の一時利用に関する協定を締結しており、一時滞在を目的とした施設の提供、食料、水、毛布などの備蓄品の支援のほか、広大な敷地を利用した自家用車の駐車及び車中泊を目的とした駐車場の利用なども含まれているとのことですが

遠すぎるでしょ!誰がわざわざドライブしてまで第三工業地帯まで避難に行くと思います?家から離れたくないんですよ。

③災害協力の支援物資は物資集積拠点候補地となる市民体育館に一括して集めた後、市職員や協力団体により各避難所へ配送します。ただ小回りを利かせるためには志津コミュニティセンターのホールなどをサテライトの物資集積拠点としておくべきでしょう。ボランティアセンターも西部地域福祉センターをサテライト拠点として設けるべきです。人口密度の高い地域のほうが物資もボランティアも必要となる確率は高いわけです。

④防災計画の建物被害予測は全半壊も含めその棟数は4,794棟です。西志津の多目的広場に1戸当たり29.7平方メートルの仮設住宅を207戸建設する計画になっていますが、その不足分に対しての候補地の事前選定は重要です。特に民間の遊休地や賃貸住宅の借り上げなどは手続上の問題もあるので事前の準備が欠かせません。

受援計画について、災害発生時の被災自治体には膨大な業務が発生するため、事前の計画が必要です。神戸市の職員の方も被災地に応援に行ったものの、力を発揮できなかった経験があるとおっしゃっていました。神戸市では、情報処理、指揮命令、現場環境、民間活用の4つの視点で受援計画が策定されていました。受援対象業務の選定も緊急業務だけでなく、経常業務も含め、支援を要する業務を選定し、業務内容が書かれた受援シートと業務フローが作成され、受け入れ態勢が整えられています。しかし、これも課題は職員全体への周知であり、神戸市では各部局に担当者を置き、年度初めに研修を行い、市役所の全市訓練の際に受援も入れているそうです。災害時の市民のいち早い生活再建も被災建築物応急危険度判定や罹災証明の発行など、受援体制が機能することでスムーズに進んでいくと思います。策定後は、BCPともに全庁的な共有をしっかり行い、いざというときに機能できるような体制を整えるべきです。

前の記事

福祉防災