行財政改革と公民連携~空き家活用と創業支援について
徳永:スマートオフィスプレイスについて。令和6年度の指定管理料は202万9,000円だが、令和5年度の決算ベースで現在の料金収入と運営費について。
経済環境部長:令和5年度決算における料金収入は約1,700万円、運営費は人件費を含め約1,780万円です。
徳永:シェアオフィスの入居状況とコワーキングスペースと工房の利用状況について。
経済環境部長:令和6年5月までは6室全ての利用契約をいただいておりましたが、現在空き室が1室生じておりまして、新たな利用者を募集しているところでございます。
次に、コワーキングスペースは、月額利用契約者の平均で申しますと、令和3年度は月に169件、令和4年度は156件と一旦落ち込みましたが、その後昨年度は165件と増加に転じており、今年度上半期におきましても、昨年度を上回る利用者数となっており、堅調な伸びを示しているものと受け止めております。シェア工房の利用状況については、令和3年度は867件のご利用がありましたが、その後コロナ禍の影響もあり、令和4年度は128件、令和5年度は296件まで回復しております。その利用目的といたしましては、趣味の飾りや案内の作成、ベニヤ板を加工した小物入れの作成、販売などに利用されております。
徳永:セミナースペースを活用した起業セミナーなどの開催状況について。
経済環境部長:令和5年度は、セミナーを8回、利用者交流会を4回開催しております。セミナーのテーマといたしまして、起業支援やITの活用に関するもの、子育て中の母親を対象としたワークショップなどを行っております。また、交流会では、利用者間の交流に加えまして、ゲストに大手企業の役職者などをお招きして、意見交換等を行っております。
徳永:これまでの起業件数と起業内容について。
経済環境部長:利用者の起業件数につきましては、利用者へのアンケート調査によりますと、累計31件となっております。業種といたしましては、情報通信業やデザイン、設計などの専門技術サービス業が多くなっております。
徳永:当初は、サラリーマンの利用とともに、女性の利用や若い世代の起業、またシニア世代の起業や外国人の起業家などの誘致なども見込んでいましたが、現状はどうか。
経済環境部長:女性の利用はおおむね3割程度、年齢階層別の利用状況では、20代以下の若年層利用が約2割、60代以上の高齢者は1割弱となっております。
次に、起業の状況でございますが、学生起業家を含む30代以下での起業が4件、55歳以上の起業が3件ございまして、多様な世代の起業を支援しております。
徳永:次期指定管理に向けては、利用状況や物価上昇を踏まえて、適切な指定管理料を算定していくとのご答弁がありました。本来であれば、令和11年度からは事業者への譲渡も検討する予定でしたが、現在どのような検討や事業者との話合いが行われているか。
経済環境部長:令和11年度以降の施設運営につきましては、施設の維持管理費を上回る収入が見込めるかどうかなど、現在の指定管理者と運営状況などを確認しながら、定期的に協議を行っているところでございます。スマートオフィスプレイスCO―LABO SAKURAは、佐倉市公共施設再配置方針の中間案におきまして民営化を検討という方向性が示されておりますので、次期指定管理者の決定後、その事業者とも譲渡の可能性について協議を進めてまいりたいと考えております。
徳永:会派で杵築市にも視察に伺いました。こちらは、創業支援に空き家を活用しているということで伺ったのですが、そもそも空き家バンクも活発に動いていて、毎年40から60件の登録があり、30から50件の利活用が行われているそうです。佐倉市の空き家バンクの状況について。
都市部長:本年4月から10月末までに空き家バンクへ登録した物件数は12件で、成約件数は6件でございます。なお、これまで登録した延べ物件数は171件、延べ成約件数は97件でございます。これらは、全てが直接創業支援につながるものではございませんが、千葉県内で空き家バンクを運営している自治体の中ではトップクラスの実績を残している。
徳永:佐倉起業塾やよろず相談などを経て起業した過去3年間の実績と業種について。
経済環境部長:令和5年度は24件、令和4年度は13件、令和3年度は19件の起業がございました。業種につきましては、飲食業や福祉関係が多い状況です。
徳永:杵築市では、キッチンがあるシェアスペースでテストマーケティングが行われ、そこから本格的に起業することができます。飲食や小売、リラクゼーションなど、佐倉市ではこのような現場実践型のトライアル支援の機会などは設けられているか。
経済環境部長:当市におけるトライアル支援といたしましては、今井家住宅や平井家住宅におきまして、昨年度から古民家活用を目的としたトライアルサウンディングを実施しております。現時点で常設型のトライアル施設の整備予定はございませんが、起業者からの声や古民家におけるトライアルサウンディングの状況なども踏まえまして、引き続き研究してまいりたい。
徳永:杵築市では、2020年にキッチンつきシェアスペースがオープンしました。明治4年創業の料亭だった古民家で、民間の女性が運営されているのですが、現在は地域の空き店舗や空き家対策にも携わっておられます。私は、視察をして佐倉の平井家が思い浮かびまして、商業ベースでの活用を考えているとは思いますが、杵築市のような古民家を活用したコワーキングスペースやテストマーケティングの場としても可能性があるのではないかと感じました。平井家の活用について現在どこまで進んでいるのか、また創業や起業のコミュニティーの場としての活用が考えられるのではないか。
魅力推進部長:旧平井家住宅につきましては、今年度は耐震補強設計を行っているとともに、トライアルサウンディング、いわゆるお試し出店を昨年度から継続して実施し、活用方法を検討しているところでございます。旧平井家住宅は、新町地区と武家屋敷や城址公園をつなぐ結束点であるため、商業ベースだけでなく、創業や起業の情報発信基地やコミュニティーの場として活用することも城下町地区の活性化に必要な要素であると考えられますことから、今後様々な可能性を視野に入れながら、引き続き検討を進めてまいります。
徳永:杵築市の事例で言うと、気軽に相談に足を運びやすいというメリットが大きく、開設4年目ですが、空き家を活用して2階を住宅、1階で店舗を構えるために移住をしてくる人も増えているそうです。今後は、テストマーケティングの場を設けることで、女性の起業も増えるのではないかと思いますので、幅広いご検討をお願いします。