障害や病気を抱える児童生徒の教育環境と保護者の付き添いについて
私は発達障害の親の会を10年ほど開催し、医療的ケア児ちゃんの支援もライフワークにしています。これまでも様々な形で取り組んできましたが、令和6年8月の代表質問では新たな項目も取り上げています。
●医療的ケア児のための学校看護師の配置について
徳永:令和5年度より小学校2校で学校看護師の配置が開始され、解決できた課題についてお伺いします。
教育長:医療的なケアを必要とする児童に対し、看護師を配置することにより、保護者の負担が大きく軽減されました。また、看護師との情報共有を行うことにより、教職員の医療的ケアに対する理解が深まり、組織的な協力体制を整えることができるようになりました。
徳永:保護者の負担軽減というのは、具体的にはどのようなことでしょうか。
教育長:これまで保護者に来校してケアをお願いしていたことが看護師の配置によりまして軽減されるということでございます。
徳永:学校看護師の配置により、自宅待機ということもなくなったという理解でよろしいですか。(把握していないようです)
徳永:中学校での医療的ケアに対する支援はどのようになっているのか。
教育長:中学校での医療的ケア児の支援につきましては、今年度初めに該当中学校において保護者、看護師、関係機関の職員、教職員、教育委員会の職員で会議を開き、協議を重ね、合意形成を図りました。現在保護者、学校、看護師、教育委員会が連絡を密にしながら、合意形成に基づき支援をしております。
(この合意形成は曲者です。保護者は「じゃあ支援学校に行けば?」と言われるのが怖いですからね)
●医療的ケア児や障害・病気を抱える児童生徒の教育環境について
徳永:令和6年度のきこえの教室の開設状況と利用状況についてお伺いします。
教育長:きこえの教室につきましては、今年度志津中学校と寺崎小学校で難聴特別支援学級を開設しております。利用状況でございますが、志津中学校には2名、寺崎小学校には1名の児童生徒が在籍しております。また、他校からの通級指導を受けている児童は2名、生徒は2名おります。
徳永:医療的ケアのあるお子さんまたは身体的な障害があったり、難聴やてんかんなどの病気を抱える子供たちのプールや校外学習などのサポートはどのように行われているのか。
教育長:特別な支援を要する児童生徒への支援につきましては、市は特別支援教育支援員を雇用し、必要とする学校へ配置しております。プールの授業においては、プールサイドから児童生徒の活動の様子を見るなど、必要な支援を行っております。校外学習にも参加し、担任とともに移動などの支援を行っております。
徳永:支援員さんがいらっしゃるというお話でしたが、保護者の付添いが必要なケースはありますか。
教育長:お子さんのそれぞれの状況に応じて、どうしても支援が必要だというような場合には、学校と保護者で十分協議をして、ご理解をいただいて支援をいただくような場合はございます。
徳永:ヒアリングでは、基本的に支援員の方がサポートについていらっしゃるという理解でした。病気または障害のあるお子さんがほかの子と同じように学校生活を送ることができるように配慮することが合理的配慮であり、義務となっています。保護者の見守りがなくてもプールの授業や学校行事に参加できるような体制が必要です。
教育長:合理的配慮につきましては、保護者と学校で合意形成を図った上で対応しております。各学校では、子どもの実態や特性に応じて保護者と丁寧に協議し、個々に合意形成を図り、可能な限り個に応じた支援に努めているところでございます。
徳永:保護者との話合いで、結局例外が多いと合理的配慮の義務化に対して責任が果たされているのかという疑問になる。学校における障害者差別対応要領は策定している自治体とそうでない自治体がありますが、佐倉市教育委員会として策定する予定はあるか。
教育長:教育委員会では、千葉県から発出されている障害を理由とする差別の解消の推進に関する千葉県教育委員会職員対応要領に基づいて、「佐倉市における合理的配慮の提供について」を作成し、各学校へ周知しております。現在本市における対応要領は策定していない。
徳永:会派で宇部市に視察に行きまして、その対応要領とそれに係る留意事項、ガイドブックのようなものなのですけれども、特別支援学級以外の普通級の先生方にとっては非常に有効で分かりやすく、発達障害や学習障害と診断されてはいないものの、普通学級で困難を抱えている児童生徒への指導のヒントにもなり、学校全体における障害への理解の促進にもつながるのではないかと感じました。
また、宇部市の留意事項には、教育現場における教育諸活動には、障害のある児童生徒だけではなくて、その保護者や障害のある一般市民も参画することが考えられることから、それぞれの人に対する留意事項も網羅されています。例えば授業参観などの授業の場面での合理的配慮の例や、保護者会やPTA総会など保護者関連の行事、運動会や学習発表会などの学校行事における合理的配慮から災害発生時などの緊急事態における合理的配慮まで記載されており、障害者差別解消の浸透を徹底させる内容です。