障害者雇用と特別支援学級

 今年度から始まった「佐倉市第5次総合計画」に修正案を出し、産業振興部局に「障害者雇用」を盛り込みました。障害があっても子どもの頃から福祉的支援だけでなく、ライフステージに合わせてその人が生活しやすい環境をまわりが一緒に考えて行く意識にシフトチェンジしていかなければなりません。「障害は個性」という言葉をお飾りではなく、どうすれば個性を発揮できるのかを社会全体が考えていく必要があります。

 2月議会では代表質問で「障害者施策と就労支援」で通告を出し、予算委員会の教育委員会部局では与えられた時間を全て支援員の確保やLDについて費やしました。そもそもこの通告で障害福祉課しか連絡してこないところから担当の意識がなってない!

という事で議会の報告に移ります。まずは代表質問から。

 優先調達に関しては令和元年の11月議会でも取り上げましたが、1年やそこらでは変化はないようでした。ちなみに佐倉市役所から障害者の事業所へ発注している金額はおよそ200万円程度。今後は市内の企業の外注先が障害福祉事業所などでも受けられるようなコーディネートの役割を果たしていかなければなりません。障害者雇用に関心のある企業の発掘や業務の切り出し、就労パスポートの活用による障害者の得意・不得意分野の見える化など、できる事から始めて欲しいですよね。それについての産業振興部の答弁は

産業振興部:就労継続支援事業所や地域活動支援センターの活用につきましては、これらの施設の活動内容や実績等を市内企業にご理解していただく事が重要でありますことから、佐倉商工会議所等の市内商工業団体のご協力を得ながら周知啓発をはかっていく。

確かにコロナ禍で市内事業所の申請支援として窓口を設けたり、国の交付金を支給する作業などで手一杯だったと思います。「障害者雇用」の担当者が必要ですね。先日の企業と特別支援学校と障害者の保護者の三者懇談会に産業振興課も教育センターも来たけれど、一番大事なグループ討論の前に帰る。やる気あるのか?

いくつか新しい提案もしました。

 障害者雇用促進奨励金の実績は11年間で14件61人の障害者雇用を支援。おそらく法定雇用率が課される大手でしょう。しかし佐倉市は中小企業で成り立っている側面があるため、地域産業にあった助成金制度なども考えていかなければと思います。場合によってはスロープやトイレの改修なども必要になるかも知れないので、佐倉市独自の障害者作業施設設置等助成金のような。他には船橋市のような障害者雇用の優良事業所の表彰ですね。最後はACミランの障害者スポーツ。地元企業に応援してもらう事で、障害者への理解が深まり雇用へと繋がる可能性もあります。佐倉市としてサッカー協会と連携して共に活性していけるようにしたいものです。

 続いて予算審査特別委員会では特別支援教育推進事業とインクルーシブ教育システム推進事業について。

令和3年度の特別支援学級数は3クラス増の64クラスで在籍児童数は291人。支援員は62名でのスタートです。市内の小中学校は全部で34校あり、全ての小中学校に支援級はあります。フルタイムの会計年度任用職員さんと週3、週2のパートの方がいらっしゃいますが、現在マンツーマンの支援が必要な児童も21人います。支援級の児童は136人が普通級で交流学級として活動もします。年度途中に支援級に移る児童も今年度38人いました。そのため支援員の確保は教育委員会の重要事項です。

支援員が足りないからと交流学級に行くことができなかったり(教育センター長はそんな事は絶対にないと断言してくださいました)、ましてや生活介助が必要でちょっとサポートしてあげれば一人でトイレができる子におむつをはかせるなんて事があっては児童の自己肯定感を下げるだけで絶対にあってはなりません。支援員の確保だけでなく、保育士や保健師など子どもの成長に関わる人材は市のHPや広報紙だけでなく、民間の媒体も使って積極的に確保していく事を求めました。

昨年の夏休みは緊急事態宣言の休校分、登校機関が設けられていましたが、なんと支援員の出勤はゼロ。本来8月は夏休みで支援員さんは8月は無収入になってしまうのも課題なのですが、やはり今回のような緊急的な措置でも支援員が出勤できるような雇用体系でなければならないのではないか。センター長をはじめ教育センターの職員が必要な学校に赴いたという事でしたが、志津方面のママちゃん達からは「保護者も付き添わなければならなくて大変だった」という声を聞いています。以前PTA会長をしている時に、なかなか教育委員会に要望できない志津地区の学校長を何人も見てきたんですよね。学校支援コーディネーターさんは2人いて、1人は言語関係、1人が普通クラスのグレーな学習障害を見極め対応しているとのことですが、私的には???現場の実情と制度が乖離しているような気がしてなりません。実際、書字障害だけの生徒が特別支援学校に行かされ、結局中退してしまった事例も身近に存在します。先生方の発達障害等に対するアンテナをぜひ高めていただきたいと思います。