公共施設等の維持管理と基金の活用について

徳永:行政改革は早急に進めていく必要があるが、特に公共施設に関しては時間がかかる作業となるため、総合管理計画の見直しや公共施設の再配置について今後どのように進めていくのか。

西田市長:佐倉市公共施設等総合管理計画については、個別施設計画の策定を進めるとともに、施設の機能の再編や合理化について関係所属が連携し、見直しを進めていく。 また、公共施設等総合管理計画の見直しだけでは、施設の総量の削減をすることが難しいことから、公共施設の再配置について全庁横断的な検討会を立ち上げて、統廃合だけではなく、機能の集約と分散の視点も取り入れながら、公共施設の適正化を進めていく。

徳永:公共施設を見直すことは財政的な効果が大きいことから、行政改革個別実施項目では、(仮称)佐倉市公共施設再配置基本方針を2か年で策定するとしているが、どのような基準や評価を基に作成していくのか、また基本方針を策定するためにストックされたデータと固定資産台帳の更新や活用についても教えてください。

資産管理経営室長:公共施設の再配置方針の策定に当たっては、公共施設の経済合理性と公共サービ スの必要性を2つの柱とした評価基準の策定を進めることとし、これらの評価を行う際に、これまでストックした不具合状況データを活用していく。また、経済合理性の指標として、施設の資産価値が重要であることから、固定資産台帳の活用についても、関係各課と連携して検討を進めていく。

徳永:平成 30 年度から公共施設包括管理事業が始まり、91 施設で 889 か所の小さな不具合が積み重なってきています。修繕計画の進捗について。また、個別施設計画にはどのように反映されるのか。

資産管理経営室長: 公共施設包括管理業務委託において挙げられた不具合情報につきましては、点検者より提案された優先度等を踏まえ、実施計画や予算要求における短期修繕計画の基礎資料として活用している。併せて、個別施設計画の策定に必要な中長期修繕計画の資料としても有効に活用している。

徳永:今後施設にどの程度のコストがかかるのかも施設評価に大きく関わってくる内容なので、データ収集の仕組みをしっかりと構築するように。 個別施設計画の策定については所管ごとのようだが、佐倉市の公共施設等総合管理計画を見ると、平準化による将来更新費用が示されているが、この先人口が減 り、税収も減る中で、事業の平準化はできても、起債の平準化できるのか分からないが、長寿命化だと元利償還金の 30%が交付税措置されると考えても、人口が減り続ける中で市民の負担が大きくならないのか、財源の考え方について。

資産管理経営室長: 人口減少や少子高齢化の加速という社会情勢を見据えた将来世代への負担軽減のためには、公共施設の長寿命化と再配置を同時に進めていくことが必要不可欠であります。 その財源につきましても、公設公営にこだわることなく、官民連携による民間資金の活用も進めていく。

徳永:計画策定に当たっては、しっかりと起債の償還シミュレー ションなども示して欲しい。公共施設は、先ほど市長の答弁にもあったとおり、単に施設を提供することが目的ではなくて、あくまでも公共サービスの拠点であることを考えると、コミュニティセンターや公民館などは佐倉市の総人口 の7割程度が日常生活では利用していないことと、今後の公共施設の維持管理にかかる コストを考えると、限定的な目的や利用者層に特化せず、幅広く利用できるような機能の共有化です。施設の多機能化を図る必要がある。今後利用者層の拡大や機能の再配置についてどのように取り組まれるのか。 また、ミレニアムセンターの防災啓発センターの空きスペースの活用、民間へ有料の貸出しなども検討されているのか。

資産管理経営室長: 公共施設の再配置適正化を進めるに当たり、利用者層の拡大など施設の有効活用を進めることはもちろんですが、まずは全ての施設において、民間に任せられたい施設であるか、公共サービスの在り方について再検証することが必要と考えている。なお、ミレニアムセンターの防災啓発センターのスペースについては、民間活用を含めた施設全体の利活用について、全庁的に検討を進めている。

徳永:決算時の主要施策などを見ると、公民館については取り上げられていない、コミュニティセンターなどの公共施設は実績として利用者数や利用率しか示されていない。利用率よりも稼働率を重視することで様々なエビデンスにもつながります。つまり利用率が低くても稼働率は高いといったことも考えられるでしょう。公表されている資料では、同じ指標で比較することができない状況だが、今後統一した指標での公表や検討を進めるべきではないか。

資産管理経営室長: 先ほどご答弁いたしました施設評価による経済合理性の評価には、施設の利用状況の検証が重要でございますので、施設全体の利用人数に加え、部屋ごとの稼働率など統一 した指標を作成してまいりたいと考えております。

徳永: 小規模の箱ものに関しては、近隣自治会館への機能の移転、また自治会や町内会などの地縁団体に無償提供し、地域の力で継続させるという考え方もあるのではないか。

資産管理経営室長:小規模施設の地域への移譲につきましては、例えば集会所を建てかえのタイミングで 当該自治会等の所有としているなど、現在進めている事例を参考に、民間に任せられる ものは民間に、地元に任せられるものは地元にという方針のもと、各施設所管課と連携し、適切な所有管理方法について検討を進めていく。

徳永:続いて公共施設整備基金の活用について。現在残高は約1億 5,600 万円、以前この基金について基金条例の趣旨から、公共施設の更新や大規模修繕などの財源としての活用は可能であると伺っております。条例では、基金として積み立てる額として、毎年度の一般会計歳入歳出予算で定める額と基金への積立てを指定した寄付金を原資として、一般会計歳入歳出予算で定める額と定められていま す。当初予算における令和2年度の積立見込額は 26 万 4,000 円でした。今後寄付を見込んで残高を増やすことはなかなか考えられませんし、なるべく一般会計から積立てできるような形で考えていくことが財源の確保ということに繋がっていくのではないかという答弁もありました。そのときと財政状況も変わってきているので、現在今後の財源措置として基金の活用はどのように考えているのか。

財政部長: 公共施設整備基金については、将来的に公共施設の老朽化対策による財政負担の増加が想定されることから、今後の施設の在り方が明確となった段階で活用を検討し ていく。

徳永:毎年の減価償却費を目安に基金の繰入れができれば一番いいのではないかと思いますが、更新費用の試算額が出ているので一定期間の更新費の平均額を算出して、実際の更新費が平均値以下となる年度についてはその差額を基金に積み立てる。費用がかさむときは取り崩すといったことも考えられるられるのではないか。

小川:公共施設整備基金への積立てについは、例えば決算剰余金の一定額を積み立てるなど、財政状況を踏まえた上で適切な方策を研究していく。