学校給食への無農薬食材導入・新規就農支援と有機食材の拡充による食の安全②

 オーガニック給食の導入に賛同する保護者の方にもいろいろな考え方の人がいらっしゃいます。学校給食が無農薬になれば手段は何でも構わない、例えば市外から仕入れる、給食費の上乗せ分をコストカットするために給食センタをを作って一括調達するなど。

 佐倉市の学校給食は全てが自校式であり、温かくて美味しい給食が提供され、アレルギー対応も整えられています。わざわざ給食センターを作る意義は薄いと思います。むしろ大量調達が難しい有機食材のため、栄養士さんの理解などには時間がかかるかも知れませんが、各学校と契約するほうが現実的だと思います。

 私はオーガニック給食の導入は新規就農の有機農家さんを軸に考えています。佐倉市に新規就農されたかたは基本的に有機農業の方が多いのですが、販路は自分で開拓しなければならず、結局離農してしまう方もいらっしゃいます。佐倉市のケール農家のALL FARMさんは都内でレストランも経営され、そこを販路とするルートまで自ら確保するといった先進的な取り組みはあるものの、めずらいしい事例です。

 学校給食が供給先であればどうでしょう。安定経営に繋がるのではないでしょうか。とは言っても野菜を有機に総入れ替えするということではありません。あくまでも佐倉市の農業支援がベースです。『モデル校において毎月どの野菜がどの程度使われているのかを共有し、何月のこの野菜は有機に変えてみるといった、1つの学校に対して複数の農家による計画栽培が必要でしょう。これに関しては、オーガニックビレッジの試行的な取組の中に含まれるとも思います。学校給食の献立は、通常2か月ほど前に作成されますが、農家は前年度の月別、品目別使用量を基に計画栽培を行い、栄養士は来月の収穫予定量を基に献立を最終調整するといった連携づくり、試行期間中に中規模校でこういった計画栽培のモデル事例から配送の問題も含め課題解決の方策を研究していく必要があります。そのため弥冨地区だけではそもそも何とかなってしますので、志津地区などの中規模校でもモデル校としての実施が必要です(2022.9月一般質問より抜粋)』

 農政課はやる気があると思いますが、教育委員会がしぶっているのでしょう…

『学校給食に導入することで、日常の有機野菜の購入へつながっていくことも視野に入れる必要があります。有機農業の生産者さんは、個人やご夫婦だけで営まれている場合が多く、既に援農として地域の方を巻き込んだ農業を取り入れている農家さんもいらっしゃいます。顔の見える農家という商品パッケージを最近はよく目にしますが、自分の地域の小中学校に卸している農家さんのお手伝いに保護者や地域住民が援農に行って、生産の段階に関われるような仕組みができると大きな広報にもつながり、新規就農による定住促進など、シティプロモーションとしても効果的ではないかと思います。ぜひそのようなストーリーを描いて取り組んでいっていただきたい(2022.9月一般質問より抜粋)』

 学校給食に導入しながら子どもたちや地域住民の体験活動として農業体験や収穫体験などを通し、消費者の意識を有機野菜などにも向けていくことで消費を拡大できないか、ストーリー性を持たせることで都内への流通を拡大できないかと考えます。

 新規就農の有機農家さんは、大事に育てた安全な食材を子どもたちに食べて欲しいと願っています。学校が販路となることで安定供給に繋がり、援農に参加しながら新規就農として佐倉市への移住を考えてくれる人も実際にいます。お隣の印西市への子育て世代の人口流出が増え、大規模な宅地造成も見込めない佐倉市への定住促進施策にもなると私は考えています。