佐倉市青少年問題協議会
佐倉市の青少年問題協議会は、市長を会長とし、行政側の子ども関係職員はもちろん、警察署長・保護司・人権擁護委員・職安・高等学校長など、多岐に渡る団体の皆様にお集まりいただき、意見交換などを行っています。ここでは気になるご意見をいくつか拾い上げたいと思います。
①児童家庭相談援助実績ですが、令和元年度の虐待新規相談件数は348件、平成30年度からの継続ケースを含めると586件になります。コロナ禍での虐待の増加が懸念されいますが、佐倉市ではそのような状況は現在のところなさそうです。虐待行為としては心理的虐待、身体的虐待、ネグレクトと続きますが、3件ではあるものの、性的虐待が気になって仕方ありません。
児童虐待の主な要因としては「親自身の育てられ方、親としての未熟さ、心理・精神的障害など親に起因する問題」「夫婦関係のストレスや経済的な問題など家庭に起因する問題」「地域や親類、社会資源との関係が上手く取れず孤立するなどしている問題」が挙げられています。
②社協さんからはここ近年、世帯で困窮などにより地域で居場所がない、食事が充分食べられない子どもがいるといったご意見が毎年挙げられています。昨年はあったか食堂ネットワークも立ち上がりましたが、これも社協さんのご尽力であり、佐倉市としての根本的な子どもの貧困対策としては未だ不十分なのかも知れません。
③裁判所の職員の方からは、離婚した父親が子どもを学校を休ませて連れ回している事例などを伺いました。佐倉市議会ではまさに6月議会で「 別居・離婚後の親子の断絶を防止する法整備と支援を求める陳情」を可決し、国へ発議案を提出したばかりです。これらに先駆けた兵庫県明石市を視察にも行きましたが、別居・離婚後の面会交流を子どもの権利とし、公的支援策の実施と相談体制の整備を進めていく必要があります。もちろんDVは別ですよ。
④青少年の課題としてはやはりSNS。特に24時間で自動消去するストーリーズに安易に投稿したことが個人では手に負えないほど拡散されてしまうといった事があります。最近では中学生の所持率も高まり、高校生はほぼ100%ではないでしょうか。高校生になると自分も登校するのが当たり前、もう生活必需品ですよね。情報モラルは中学校からもっと取り組んでいく必要があるでしょう。
⑤特殊詐欺。若者の関与が多いですよね。最近は「高収入のバイト」として募集されることもあり、今まで縁のなかった若者たちが巻き込まれています。オレオレ詐欺の受け子は有名ですが、最近ではキャッシュカード情報を利用して大量購入したものをモデルハウスで受け取り、それをネットで販売するなどです。警察の話では学校や社会に適応できていない若者が多いようだとの見解もありました。高校生以上になると義務教育の手から離れ、私も行政支援の手も求めてもらわないと届かないというジレンマをずっと抱えています。