公用車としての電気自動車と福祉避難所

予算委員会が終わり、本来であれば毎日議会状況を報告できればいいのですが、議会中は体力消耗、翌日に控え、なかなかタイムリーに更新できてませんが、一般質問の未定稿原稿があがってきましたので、佐倉市の災害対応についての答弁を抜粋してご報告させていただきます。

【電柱の仮復旧】

徳永)昨年九州電力に視察に行きましたが、そもそも災害の多い九州と関東では、電柱の強度からして違うというお話を伺いました。その点については、鉄塔、電柱の技術基準の見直しが図られるものと思いますけれども、電柱や電線にひっかかっている倒木は、自衛隊が派遣されていても電力会社しか伐採できず、電力会社は伐採に不慣れで、時間がかかるなどの問題点がありました。九州では仮復旧が最優先され、地権者との倒木処理協定や想定伐採が実施されているそうです。 佐倉市防災会議でも陸上自衛隊が構成員として加わったこともありますので、いざという時の現場での復旧作業の迅速化のために、市民防災訓練などを通じて、自衛隊を初め、千葉県や電力会社とも連携を深めておくことが必要ではないか。

危機管理室長答弁)

災害時における応急対応や復旧には、国や県、自衛隊、消防組合、電力会社等の事業者の支援が必要であり、いざというときに連携、協力するためには、ふだんからの連絡、協力体制を構築することが重要であると認識をいたしております。 昨年は、災害の影響でやむなく中止をいたしましたが、毎年開催しております市民防災訓練では、自衛隊や消防署、電気、ガス等の関係機関や災害時応援協定を締結している事業者等に参加、出展していただき、救助訓練や装備品の展示など市民との交流に努めているところでございます。
また、緊急時に速やかな協力や支援を受けられるよう、連絡体制の確認や情報共有など、ふだんから顔の見える関係も構築しているところでございます。

徳永)大事なのは仮復旧です。九州のような仮復旧が今後佐倉市でも迅速に進めていけるように連携をお願いしたい

【電気自動車を公用車として導入】

徳永) 経産省の総合資源エネルギー調査会では、台風15号の停電復旧対応等に係る検証結果を取りまとめており、政府における対策と東京電力における対策をまとめ、災害時におけるEVなどの電気自動車の非常用電源としての活用促進が挙げられています。先般の台風15号などに伴う停電の経験も踏まえ、分散型電源の活用による災害時のレジリエンス向上のために、電気自動車や燃料電池自動車などの電動車が非常用電源として活用される場面が増えており、電動車への期待も高まっているところです。
そして、11月には電動車活用社会推進協議会が開催されまして、地方自治体や関連事業者と共に電気自動車を有効活用できる仕組みの構築を目指すこととなりました。電気自動車の活用は、災害時だけではなくて、SDGsの観点から、CO2の削減にもつながるため、公用車として導入し、災害時には非常用電源として役立てるというのが今後のあり方であり、普及も進んでくるのではないかと思っています。以上のことから、電気自動車を公用車として導入を始めてはどうか。

資産管理経営室長答弁)

令和2年2月末現在、土木、消防などの特殊車両を除き144台の公用車を使用しておりますが、現在電気自動車などの次世代自動車はございません。議員ご提案のとおり、災害時における非常用電源として有効であり、さらには第2次佐倉市地球温暖化対策実行計画の重点取組として、公用車への次世代自動車の導入を掲げておりますことからも、関係部署と連携の上、電気自動車等の導入について検討を進めて参りたいと考えております。

徳永) 指定避難所の停電対応は太陽光も考えられると思うのが、太陽光は一般家屋に関しては推奨されるとしましても、避難所においてはコストや電気の供給量などを鑑みると、あと日常的に環境に配慮できるといった、こういった側面からも、率先して、今回被災地でもあるわけですから、電気自動車を公用車として導入するといった先進事例となることも私は一つの役目ではないかなというふうに思っています。今回当初予算には入っておりませんけれども、できれば台風の季節の前に1台でも導入できるといいのではないか。長期の停電を経験した市民の皆様にも、今ならご理解いただけるのではないかと思います。

【福祉避難所】

徳永)昨年の台風で、市内にお住まいの障害をお持ちの方も、現実に被災を体験し、その困難な状況を改めて認識されたのではないかと思います。災害対策基本法では、知的障害者を含む、災害時に支援を必要とする人を避難行動要支援者と規定しており、多くの方が一般の避難所で過ごすことが難しいため、市町村が障害福祉事業所などを福祉避難所に指定することになっています。佐倉市でも2013年に市内の社会福祉法人と福祉避難所の設置運営に関する協定を締結し、現在16法人、27施設と伺っております。大規模災害発生時に各法人が運営する特別養護老人ホームや障害者支援施設などが、一般避難所での共同生活が困難な高齢者や障害者の受入れ先となるのですが、今回当事者家族の方も福祉避難所が分からないということに気づかれました。そして、福祉避難所といっても、高齢者施設も含まれているため、障害者がその施設を使えるのかも分からない。 「こうほう佐倉」の防災特集号でも、その点明示はされていません。福祉避難所の体制を明確にしていくべきではないか。

福祉部長答弁)

福祉避難所を開設する状況といたしましては、指定避難所へ避難してきた高齢者や障害者等の要配慮者のうち、障害の状態や心身の健康状態等を考慮して、指定避難所での生活が困難と判断された場合に、必要に応じて開設することとなります。受入れに当たりましては、本人の心身の状態や病状等に加え、施設の被災状況や設備状況、また受入れ可能な人数、提供できる物資の量、さらに職員体制や受入れ可能な期間等を確認してから開設する福祉避難所を決
定いたします。このようなことから、現状では福祉避難所の事前公表は行わず、福祉避難所に来られた要配慮者の状態を確認した上で、個別にご案内することとしております。

徳永) 当事者の方からも、ワンクッション置くということが当事者のご家族の方からも余計負担になるというふうにお話を伺いました。協定書にもあらかじめ市民等に福祉避難所の設置場所とその設置目的を周知するというふうにも書かれていますので、当事者の人たちが、やはりこれから起こるであろう災害について安心ができるように、日頃より施設との連絡調整等をして、スムーズにその時に応えられるようにしていただければと思います。

愛知県の春日井市では福祉避難所が明確に周知されていますね。