インクルーシブ公園
市内250公園、1,037の遊具について、今年度初めには76公園の88遊具は使用禁止となっていましたが、6月に点検を行い、27基の遊具を修繕し、修理が困難な2基の遊具は撤去されました。残り59基のうち大型の複合遊具は更新費用が高額なため、来年度から国
の補助金を活用して段階的に整備を進めていくそうです。その他44基については公園の利用状況などを考慮しながら今年度中に修繕等を行います。
子どもの外遊びは、楽しく遊べるという以外に子どもの成長に役立つ重要な理由があります。何気ない遊びでも子どもにとっては大切な要素となるため、本来子どもたちが安心して外遊びできる環境を確保するのは大人の役目です。
加えて障害や医療的ケアが必要なお子さんなどが安心して遊べる公園についてはどうか。オープンスペースとは言いながらも、子ども全体の1割以上が思うように遊べていないのだと言います。
2020年3月に世田谷区にインクルーシブ公園が誕生しました。この砧公園のみんなの広場を皮切りに、豊島区のとしまキッズパークと続き、広がりを見せています。全ての遊具が車椅子でもアクセスしやすい工夫がされている。背もたれつきで体を固定できるブランコや砂場や水遊びがバギーで腰の高さでもできるようになっていたり、公園の説明表記が知的発達に遅れがある子でも分かりやすいシンプルな絵で表現され、力のないお子さんが指一本で音が出せるような遊具や太陽の光が苦手なお子さんのための日陰、もちろんスペ
シャルニーズがない子どもたちも挑戦して体を動かせるような場所も用意されている。障害があってもなくても、分け隔てなく遊べる公園です。このような公園は本来は当たり前に必要ですよね。
まずは、対象となる障害や病児、医療的ケア児など障害福祉課と連携し、ニーズ調査をしてはどうかと考えます。例えば兄弟で、兄は健常で弟がダウン症でずりばいしかできない。でも2人とも外で遊びたいけれども、ゴムチップが引いてある公園などもなく、結局兄のほうはほったらかしになってしまうなど、俗に言うきょうだい児の悩みを経験しているご家庭は少なくないはずです。
相当な経費がかかる事業ではあるので、クラウドファンディングを活用することはできないのか、指定寄附で補填することはできないのか。遊具について出資していただいた企業名を記すことでCSRなり得ないのか、いろんな側面で財源の検討もしていく必要があります。インクルーシブ公園であれば、そういった財源の確保も可能ではないのか。逆に広く財源を求めることで、共生社会を目指すPRとなり得るかもしれないとも思います。どの自治体にもインクルーシブ公園の設置義務で国の補助金が出るようになるといいのですが。