今後の連携協定と避難所のあり方
現在災害時の車中泊避難はもちろん健康上の理由から推奨されてはいませんが、今後首都直下型などの災害時では、必ず車中泊避難コミュニティが発生すると思います。阪神大震災の時にいろんな場所にテント村が発生したように。神戸市でも指定避難所はありましたが、ご存じの通り収まるわけはありません。兵庫県の避難者数のピークは発災6日後の1月23日に31万6,700人で、避難所の数は1,152ヶ所となりました。私がいた神戸YWCAも近所の方が避難してきたことから行政に連絡して追加避難所に認定してもらい、物資が受け取れるようになりました。しかしながらテント村には救援物資などの支援は届かず、私たちボランティアがテント村の支援を行うことになったのです。
特にコロナ禍での分散非難は在宅避難と親類や友人宅への避難、テント活用の庭先避難、車とテントを活用した車両避難や自治会館等への避難などが上げられています。コロナ禍だけに限らず、既に災害時には指定避難所外避難コミュニティーは常に発生していますが、佐倉市では車中泊などは推奨できないということから、防災計画にはその支援について触れられていません。現実的には、車中泊避難を見越して避難所の駐車スペースの利用、市内施設の駐車場の確保、スーパーや店舗との車中泊避難者用の受入れ協定などをあらかじめ検討しておくほうが行政としても避難コミュニティーを把握でき、支援物資の提供や健康相談なども対処しやすいのではないかと思います。そのため私は自分の経験からも車を使った避難の在り方も考え直す必要があると訴えているのです。
さらに豊島区では避難所を救援センターと改め、在宅避難生活者も含めた支援機能を拡充することにしました。在宅避難を推奨するのであれば、情報や物資の供給などをどのように届けていくのか明確にしていかなければ、不安から市民は避難所に押し寄せることでしょう。阪神大震災の時も日に日に避難者は増えていったのです。自治会や自主防に委ねるのは難しいと思います。大規模災害の場合、ボランティアセンターも社協だけで担うのは無理です。そのためこれからの避難所は、自治会とその地区の防災士を活用し、地域の避難生活運営センターとしての役割を果たしていくべきではないかと考えます。
8ヶ月の救援センターでの活動を経験して思うところです。
そして現在、日本防災士会千葉県支部の役員として、これからも防災活動に取り組んでいきたいと思います。