指定避難所への再エネ導入と公用車のEV化
千葉市では、PPA事業により初期費用がかからない形で指定避難所、つまり小中学校を中心に再生可能エネルギーを導入しています。これにより、平時における学校の温室効果ガスの排出抑制と災害時における避難所の電力確保を同時に実現することができています。国庫補助金の活用や民間事業者との連携により市の追加負担なく事業化でき、設備の設置、維持管理、撤去までが事業者負担となり、市は事業者へ再エネ電力使用料金を支払います。
わかりやすく言うと、事業者が太陽光パネルを無料で設置して撤去までを担ってくれるので、市の財政負担が少なくて済む。初期費用はゼロ円なので「ゼロ円ソーラー」とも言われることもあります。その代わり20年の長期契約をすることで企業側は安定して使用料が入ってくるという仕組みです。ここで心配になるのは20年先にその企業が存続しているのか?という事を考えると、結局市外の大手に頼らざるを得ません。しかしながら災害時の停電のことを考えると、令和元年台風で長期停電を経験した自治体としては検討すべきでしょう。今後、公共施設の再配置を進めながらどのような形で再生可能エネルギーを取り入れていくのか考えていく必要があります。
もう一つ災害時の停電対応として、また環境負荷の観点から公用車を電気自動車に変えていくことも考えていかなければなりません。私がしつこく提案して現在は上下水道部で1台所有しているだけですが、避難所1か所分程度の発電は賄えるとうかがっています。まだ購入コストが相当高いのですぐいというわけにはいきませんが、ガソリン車の削減目標を明確にして計画的にEVへ移行していく必要はあるのではないかと思います。
また市民が所有しているEV車の災害活用について提案したところ、千葉県が災害時における電力ボランティア登録制度を創設し、6月から募集を開始したそうです。広域災害に関しては県の施策として有効だと思いますが、市にも情報提供して、災害時に素早く対応できるようにしておいたほうがいいと思います。先の台風停電の時、千葉県は発電機をなかなか貸し出さなかったという過去もありますからね。
いずれ市庁舎も整備しなければなりませんし、ZEB化を目指し、2050年度、確実なカーボンゼロを達成できるようさらに計画を具体化することを求め、現在、佐倉市環境基本計画や佐倉市地球温暖化対策実行計画(事務事業編)の見直しが行われています。