休日保育と一時保育

厚生労働省子ども家庭局保育課が出している資料によれば、令和2年4月1日時点の待機児童数がゼロ人である自治体は全体の77%、保育所の利用児童数のピークは令和7年となる見込みです。佐倉市の保育施設は45か所、保育定員数は現在のところ全体で2,919人で令和2年4月以降、令和4年8月までは待機児童ゼロを継続しています。佐倉市でも令和7年度までは増加傾向が続くものの、以降は全国的な少子化の影響や市街への子育て世代への流出などによる影響を受けることと思います。

待機児童ゼロと言っても、兄弟姉妹で違う保育園に預けなければならないご家庭もあります。送迎には相当の負担がかかるため改善が必要です。希望する近くの保育園には入園できずに遠く離れた保育園に通うご家庭もあり、待機児童ゼロはあくまでも数字上の話で保護者のニーズに応えきれているとは言えません。また日曜日に働く方も大勢いらっしゃいますが、保育園は休園です。保育需要が減少してくのであれば、細やかなニーズに応えていくことを考えていく必要があるでしょう。

また一時保育のニーズも高いのですが、一時預かりの保育園は限られており、定期利用も需要が高いため、突発的な利用ニーズには応えきれずに困り果てた保護者からの声もありました。抗がん剤の治療のためにお子さんを預かって欲しかったのですが、受け入れ先がなく、病気と子育ての不安でさぞ心細かったことと思います。こんな時こそ寄り添ってあげられないのでしょうか。各施設に直接問い合わせるのではなく誰かがコーディネートしてあげるとか…とにかく一時保育の拡充も必要です。

子どもの数が減少しても、医療的ケア児などの多様な保育のニーズは増えてくると思われます。現在は、保育園で加配という形で個々の保育園が障害児保育に対応していますけれども、医療的ケア児保育支援事業は支援法の制定により予算も拡充されましたので、専門的に受け入れる園を開設するか、または5圏域の公立保育園で受入れ体制を強化するなど、今後は医ケア児や障害を持つお子さんが希望される場合の受入れ体制を整えていく必要があると思います。

あわせて今までの研修事業と言えば、保育士がどこかに講座を聞きに行くといった座学が多いと思いますが、こども家庭庁の発足により公開保育なども今後推進されていくことになると思います。公開保育はオンライン上でも可能ですし、保育内容の写真などを持ち寄ってお互いの保育について話し合う場といった、この横連携をつくることが行政には求められます。お互いの保育スキルを高めていくことは保育士さんのやりがいにも繋がりますし、子どもの権利条約がベースにあれば、不適切保育など起きるはずもありません。

社会が女性の働き手を求め、仕事と育児の両立をしていかなければならないのですから、そのニーズに柔軟に応えていくことが「子育てしやすいまち」に繋がるのだと思います。「待機児童ゼロと聞いて転入したのに予想と違って残念だ」という方は、小学校入学を機に転出してしまいますよ。